防湿の対策

木の吸放湿能によって防湿をするには, 20mm 位の厚みが必要とされており,そうした仕上げによって,不透湿に連続したメンプレムを構成することも難しい。

厨房では水蒸気の発生だけでなく室温が上がりやすく,天井裏との温度差が生じ,天井内結露や表面結露を防ぐ難しさは浴室以上である。火や水の心配な部分を除いては,タイルや金属板のような,不透湿性が高くても ,熱伝導の良い素材より は,せっこうボードや合板を下地としたビ、ニルクロス張りなどの方が無難であろう。もちろんビニルクロスはそれ自身ペーパーバリアの役は果たすものの,十分なものとはいえないし,その継ぎ目や,コンセントなどボックス周りからの水蒸気の浸入はさけ難いので,もう一層,防湿層を組み合わせた方が確実といえる。浴室からの水蒸気の発生は入浴時や浴槽そのものからに加え,入浴後の人体からも急激,多量に行われる。またこの影響をうける脱衣室と浴室との関係と同様に,厨房と食堂との関係も半開放といえる状態が多く ,水蒸気は直接的に流れ込みやすい。

したがって,浴室や厨房につながる部屋も,それらに準じて,換気とともに防湿の対策を十分にしなくてはならない。こうした部屋では,木質系の材料で仕上げたり ,透湿性ビニルクロスや紙,布の壁紙などを用いたり ,それらと組み合わせて下地を木質系とするなど,そこを調湿性をもったバッファとしようとする考えがよくとられる。

壁体の構造と性能

壁体の性能について考える時,断熱性能についての考慮はなされているといえる。木造軸組構法においてはグラスウール印刷を壁体内に設置すること,RC造集合住宅においては北側外壁の防露壁を内張りすることがそれである。しかし ,壁体内結露に代表されるように,断熱性能を高めようとして考慮された壁構法がトラブルを生じさせることが多いのも周知の事実である。一般論としては,従来開放型であった日本の住宅が,閉鎖型へと移行する過程で発生した諸問題であるといえる。環境工学的に快適な室内空間を実現しようとする時に,閉鎖型住宅で機械的に環境を コントロールしようとするのは ,時代の大きな流れでもある。一般的には,施工性や経済性を優先して構法が決められており,断熱性能を初めとして諸性能を十分に発揮できるように考慮されているとは言い難い。特に,ここで問題にしようとしている調湿性能に関しては,まったく意識されていないと指摘できよう。

ここでは,鉄筋コンクリート造と木造軸組構法の外周壁と内壁の代表的な数例について,発生しやすいトラブルを示している。現在一般的に施工されている壁構法は,性能的には問題をもっていること ,特に調湿性能に関しては全く考慮されていないことが理解できよう。

新幹線車両を塗る場合

飛行機と新幹線。どちらを利用するかを決める場合、その分かれ目は移動時間で3時間以内ならば新幹線になるそうです。

東京から新青森間を三時間で運行する計画も発表されました。世界最高速度だそうです。

新幹線は高速走行による車体振動はもちろん、トンネル出入り口での外板変形に塗装系が追従できることが求められます。それと同時に長時間美観を保持し、汚れを洗い落としやすいことも車両用塗料に求められるのです。

90年代まで車両外装は光沢が鈍く、色も白をベースとした同系色でした。高光沢にすると、車両外装板の凹凸が強調されます。車両塗装は高級感を要求されています。

建築物の外装もつや消し状態になっていますが、同じ効果です。白をベースとしてるのは、高速をイメージする色彩効果と、擦り傷などを目立たせないためです。90年代以降は、車両外板にAI合金が採用され、メタリックな仕上げなど乗用車並みの外観が求められています。プレス加工の進歩により、溶接箇所が減少していますが、電車のように大型になると車体に歪みが残り、パテ付けで平滑化する必要が生じます。

新幹線車両の標準塗装仕様は自動車の新車塗装工程とは異なります。

新車やPCMに適用する表面処理に変わって、ブラスト直後にエポキシ樹脂系プライマーが塗装されます。プラスと直後の金属面はとても活性な状態ですので、この時に塗装すると、塗料はとても良く付着してくれます。プラスと後は直ちに塗装することが大切になってきます。この上に、不飽和ポリエステル樹脂パテが使用されます。車両重量とコストの制限から、パテ付け―研磨工程を二回で終了させます。

その後の工程は自動車の補修工程とほぼ同じになります。

パテ付け―研磨工程と中塗り―研磨工程の平滑化作業が高級感を生み出します。

自動車を塗る場合

自動車産業にはリーディングカンパニーとしての対応が求められます。

特に環境問題。土壌・水質・大気汚染など多岐に渡る対応が必要とされてきます。

塗料の環境問題において考えた場合、最大の課題はVOC(揮発性有機化合物。主に溶剤)の削減です。自動車塗装において、特にメタリックベースコートから発生する溶剤量が多いといえます。

1980年代後半より欧米を中心に、メタリックベースコートの水性塗料化が検討、実施されてきました。メタリック塗料の外観の品質を保つために、スプレー塗装するときには低粘度で、塗料が被塗物に塗着したときには高粘度になって、たれやアルミニウム粉のむらを防ぐ設計になっています。

現在、国内外で広く使わるようになりました。

中塗りにはどのような系を採用するか見てみましょう。

欧州、日本、米国と、塗料の考え方や品質の捉え方には違いが見えます。

欧州、日本では主として水性塗料が検討され採用されています。米国ではむしろ粉体塗料の中塗りが採用されている場合が多いようです。

クリヤコートを何にするか。これは最も難しい課題となります。

欧州では下塗り、中塗り、上塗りの全工程に水性化、水性中塗り/水性ベースコート/粉体スラリークリヤコートの採用、粉体クリヤコートの採用などの例があります。

しかし、塗膜の品質から考えてみると、まずは溶剤型のハイソリッド塗料で対応し、改良を待って水性塗料を採用する。それが日本の自動車メーカーの考え方と思われています。

なお、粉体スラリーとは微粒子粉体塗料を水中に分散したものとなります。近年では、工程短縮とエネルギー節減の観点から中塗り、ベースコート、クリヤコートを重ね塗りして、同時に焼き付けるという、いわゆるスリーウェット方式が注目されています。

航空機を塗る場合

航空機の特徴は高度1万メートルに達した時の気温は−50℃以下になり、着陸すれば上空に比べてはるかに高い温度となることと、高速で飛行をすることです。塗装するという点からみれば、飛行時の被塗物の変形に対して塗装系が耐えられるかどうかが問題となってきます。塗装系というのは、下塗りから上塗りまでの多層塗膜のことです。いわゆる温度と速度の急激な変化に対して付着状態の塗膜がどのように追随できるかを試験します。そこで異常が生じないこと。それを確認しなければなりません。

航空機はどのような素材でできているのか、どのような塗料が使われ、どのようにして塗られているのか、さらにどのような試験をするのかを調べました。素材は航空機用アルミニウム合金、塗装仕様は巨大な被塗物ゆえに、焼付けはできませんので、常温硬化型塗料を選択しなければならないということです。

ある航空機メーカーの社内規格によると、車や新幹線には見ることができない特性が必要であるとわかります。特に、耐液性:各種オイルの浸せきで塗膜が軟化しないこと、耐低温性、そして剥離性に関しては、新造機が4〜8年で重整備を行う時に機体に亀裂や異常がないかを調べる際、塗膜の無い状態で検査する必要があるため、ペイントリムーバー(剥離剤)で30分以内に塗膜を剥離できることが規格化されています。

耐オイル浸せき試験で塗膜が軟化してはならないので、油には強く、リムーバー用の溶剤には弱いという矛盾する特性を持った塗膜にしなければなりません。物理的な強度においても、塗膜は硬く、なおかつよく伸びる柔軟性が求められます。塗膜が表面層に存在するゆえの宿命であり、技術者は常に挑戦し続けているのです。