航空機の特徴は高度1万メートルに達した時の気温は−50℃以下になり、着陸すれば上空に比べてはるかに高い温度となることと、高速で飛行をすることです。塗装するという点からみれば、飛行時の被塗物の変形に対して塗装系が耐えられるかどうかが問題となってきます。塗装系というのは、下塗りから上塗りまでの多層塗膜のことです。いわゆる温度と速度の急激な変化に対して付着状態の塗膜がどのように追随できるかを試験します。そこで異常が生じないこと。それを確認しなければなりません。

航空機はどのような素材でできているのか、どのような塗料が使われ、どのようにして塗られているのか、さらにどのような試験をするのかを調べました。素材は航空機用アルミニウム合金、塗装仕様は巨大な被塗物ゆえに、焼付けはできませんので、常温硬化型塗料を選択しなければならないということです。

ある航空機メーカーの社内規格によると、車や新幹線には見ることができない特性が必要であるとわかります。特に、耐液性:各種オイルの浸せきで塗膜が軟化しないこと、耐低温性、そして剥離性に関しては、新造機が4〜8年で重整備を行う時に機体に亀裂や異常がないかを調べる際、塗膜の無い状態で検査する必要があるため、ペイントリムーバー(剥離剤)で30分以内に塗膜を剥離できることが規格化されています。

耐オイル浸せき試験で塗膜が軟化してはならないので、油には強く、リムーバー用の溶剤には弱いという矛盾する特性を持った塗膜にしなければなりません。物理的な強度においても、塗膜は硬く、なおかつよく伸びる柔軟性が求められます。塗膜が表面層に存在するゆえの宿命であり、技術者は常に挑戦し続けているのです。

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