樹脂と硬化剤の選択は塗膜の性能を決める最も重要なものになります。

そこで、多くの種類の樹脂から、目的・用途に応じた適切な選択が必要となってきます。樹脂には分子量(分子の大きさ)が小さいと溶剤に溶けやすいという利点がある反面、塗膜の性能が低下するという特徴があります。また分子量が大きくなると溶剤に溶けにくくなり、溶解しても固形分が低くなります。そのため、塗料では通常、分子量が数万以下のものを用いています。

樹脂には熱可型性樹脂と熱硬化性樹脂があります。熱可型性樹脂は溶剤蒸発や加熱によって塗膜を形成する樹脂です。したがって樹脂の特性がそのまま塗膜の特性になるため、塩化ビニル樹脂、塩化ゴム樹脂のように分子量の大きな樹脂を用いることが多くなります。

一方、熱硬化性樹脂は何らかの化学反応によって硬化する樹脂です。熱可塑性樹脂が成膜後も加熱によって流動したり、溶剤に再溶解するのに対して、熱硬化性樹脂は硬化後の加熱によって流動したり、再溶解することはありません。これは化学反応によって樹脂分子間あるいは樹脂、硬化剤間の反応による三次元網目構造が形成されているためです。このことによって硬度、耐薬品性、耐汚染性、耐候性などが向上し、硬くて強い塗膜になります。また、こうした樹脂は比較的低分子量で溶液粘度も低く取り扱いが容易という利点もあります。したがって、工業用途では熱硬化性樹脂塗料を用いることが多くなります。

これらの塗料は樹脂の種類によって違いが出てきます。たとえば、エポキシ樹脂のように耐候性には劣るものの金属への付着性が良好で下塗りに適するものや、アクリル樹脂やポリエステル樹脂のように光沢がありなおかつ耐候性が良好であれば上塗りに適したものもあります。

また、硬化剤を用いる場合、1液型か、塗装時に主剤と硬化剤を混合して用いる2液型であるかどうかも、作業上重要となります。