塗装方法を大別すると、塗料を直接、被塗物に移行する直接法と、霧にして移行する噴霧法とがあります。

どちらの方式にも長所、短所があります。大切なのは適材適所に選択すること。塗料の目的や使用する塗料の粘度、さらに被塗物の形状や大きさが、さまざまだからです。

まずは塗付け能力だけを考えてみましょう。

作業スピードではカーテンフローコーターやロールコーターが最も速いといえます。刷毛塗りはかなわないといえます。しかし、カーテンフローコーターやロールコーターは、被塗物の形状に成約がかかります。平板状でなければ塗装ができないからです。その点、刷毛塗りには自由度があります。とはいえ、複雑な形状となると刷毛塗りでの対応も難しくなります。そんなときは霧にして吹き付けるスプレー塗装が有利になります。スプレー塗装の欠点は噴霧粒子が飛散するため、塗着効率が悪いことでしたが、静電塗装機の出現により、塗着効率は大きく向上しました。

塗装に適する塗料の粘度について見ていきましょう。

カーテンフローコーター、ロールコーター、しごき塗りや侵せき塗り(ディッピング)には、高粘度の塗料が適用可能です。刷毛やローラー塗りでは水の粘度の200倍程度までは可能ですが、高粘度になるほど作業性が悪くなってしまいます。また刷毛目が残ったりと仕上がり外観が悪くなります。一般のエアスプレー塗装では水の粘度の50倍程度までしか対応できません。

単に塗り広げるだけの操作では塗装といえません。出来上がった塗膜が被塗物に十分に付着して期待された機能を果たすには、被塗面との間にすき間があったり、塗膜に穴やはじきなどの欠陥があってはならないのです。

被塗物の形状や作業性、塗料の粘度や乾燥性を考慮して、適切な塗装方法を採用しましょう。